自己破産とは
①自己破産とは、債務の返済が困難か不可能な場合、地方裁判所に破産手続開始申立を行い、裁判所の決定より、最終的には免責決定によって、支払い義務を免除してもらう手続です。
「自己破産」と聞くと、人格までマイナスな烙印を押されるイメージを持たれ、破産に躊躇する方がいます。また、親族に迷惑をかけながらでも支払いを続けようとする方もいます。こういう思いを持つのは心情として理解できます。
しかし、現在の自己破産手続は、裁判所が中心となり、自己破産者に生活の再建を建て直すとともに、人生のやり直しの機会を与えるという、法律で認めた救済方法です。
客観的に無理な支払いを続けて、さらに借金を重ねたり、支払いのために家族や回りに迷惑をかけたり、債権者の追及を恐れるあまり行方をくらますよりも、一日も早く、任意整理か破産かの相談をしましょう
②自己破産の手続には、同時廃止事件と管財事件があります。大抵の事案では、裁判所に出頭する必要がない同時廃止事件となります(事案によっては、免責とするかどうかの判断のために審尋という裁判官から質問を受ける手続があります)。
管財事件には小規模管財と通常の管財事件とがあり、裁判所に納める予納金が20万円~50万円程度、別途必要になります。この費用のほとんどは裁判所が選任する破産管財人の報酬となります。
また、管財事件となると、終結までに半年から1年以上かかることがあります。管財事件では、債権者集会が開かれ、管財人の報告や裁判所の決定がなされます。破産者は債権者集会にも参加しなければなりません。
なお、債権者集会と言っても、自己破産手続の場合、債権者は一人も来ないのが通常です。
自己破産についてのよくあるご質問
Q:自己破産の流れを教えてください。
A:自己破産の流れは、まず弁護士や司法書士に相談し、必要書類を準備して地方裁判所に破産手続開始申立を行います。裁判所が破産手続開始を決定すると、同時廃止事件か管財事件かに分かれて手続きが進み、最終的には免責許可の決定を得て終了となります。
Q:自己破産をしたら家族はどうなりますか?
A:自己破産しても、基本的に家族に返済義務が移ることはありません。ただし、家族が連帯保証人になっている場合は、返済義務を負うことになります。
Q:自己破産をしたら給料はどうなりますか?
A:自己破産しても、給料の全額が没収されるわけではありません。生活に必要な最低限の金額は残すことができます。ただし、管財事件の場合は、一定期間、給料の一部が破産管財人に管理されることがあります。
Q:自己破産をしたら年金はどうなりますか?
A:自己破産しても、年金を受け取る権利はなくなりません。ただし、年金担保で借金をしている場合は、年金の一部が返済に充てられることがあります。
Q:自己破産をしたら会社にばれますか?
A:自己破産したことが必ず会社にばれるとは限りません。しかし、会社から借金をしている場合や、給料の差し押さえなどがあった場合は、会社に知られる可能性があります。
Q:自己破産前にやってはいけないことはありますか?
A:自己破産前に、特定の債権者にだけ返済したり、財産を隠したりする行為は避けてください。これらの行為は、免責不許可事由となる可能性があります。
Q:自己破産をすると貯金はどうなりますか?
A:自己破産すると、原則として20万円を超える貯金は換価処分の対象となります。ただし、生活に必要な最低限の金額は残すことができます。
Q:自己破産をしたら家や車はどうなりますか?
A:持ち家や車は、原則として換価処分の対象となります。ただし、住宅ローンが残っている場合は、任意売却や競売となる可能性があります。また、生活に必要な車は、例外的に残せる場合があります。
Q:自己破産のメリットとデメリットを教えてください。
A:自己破産のメリットは、借金の返済義務が免除されることです。デメリットは、信用情報機関に登録されることや、財産を失う可能性があることです。
弁護士費用
相談料金
初回30分無料
※法テラス援助で同一案件3回まで無料
着手金・報酬金
着手金 | 報酬 | |
破産申立事件 | 自然人の自己破産 20万円 法人の自己破産 100万円~ |
無し |
任意整理事件 | 1社当り 2万5,000円 ※過払金返還訴訟移行は実費費用のみ追加で行う。 時効援用通知を内容証明郵便で発送した場合の実費は無料とする。 |
過払金返還については、示談交渉による場合は返還額の15%、訴訟による場合は返還額の20%。 |
個人民事再生事件 | 30万円 (注)住宅資金特別条項の有無で区別せず。費用(実費)は原則として 3万円とする。 |
無し |
民事再生 | 100万円~ | 無し |
【この記事を書いた弁護士】
吉田瑞彦法律事務所 所長弁護士 吉田瑞彦 【保有資格】弁護士 【専門分野】一般民事(交通事件を含む)、家事(離婚・相続等)、刑事、企業法務 【経歴】慶応義塾大学法学部法律学科卒業 |