親権、面会交流〜離れて暮らすお子様との関わり方〜
離婚に際して未成年のお子様がいる場合、離婚後の親権や、離れて暮らす親と子どもが交流する親子交流(面会交流)について決める必要があります。
夫婦間の感情的な対立が激しい場合でも、お子様の問題は切り離して考えなければなりません。ここでは、親権の基本と、特にご相談の多い親子交流(面会交流)の具体的なルールやトラブルへの対処法について詳しく解説します。
親権とは?(法改正による「共同親権」の導入)
未成年の子どもがいる場合、協議・調停・裁判のいずれの離婚であっても、親権者を決める必要があります。話合いで決まらない場合は、家庭裁判所が「これまでの監護状況」や「子どもの意思」などを総合的に考慮して判断します。
【重要】選択的「共同親権」について
これまでの日本の制度では、離婚後は「単独親権」のみでしたが、法改正により、父母の協議によって離婚後も双方が親権を持つ「選択的共同親権」が導入されました。進学や医療などの重要事項は父母の合意で決め、日常の世話は同居親が判断するなど、新しい形の関わり方が可能になります。ただし、DVや虐待のリスクがある場合は、裁判所の判断で単独親権となります。
親子交流(面会交流)とは?〜子どものための大切な権利〜
親権を持たない(または一緒に暮らしていない)親が、お子様と定期的に会って時間を過ごしたり、連絡を取り合ったりすることを親子交流(面会交流)といいます。
親子交流(面会交流)は親の権利であると同時に、親からの愛情を実感して健全に成長するための「子どもの権利(子の利益)」として最も優先されるべき制度です。
面会交流の具体的なルールの決め方
ルールに決まった型はなく、お子様の年齢や生活リズムに合わせて柔軟に取り決めることができます。
頻度と時間: 一例として、「月に1回、数時間」「毎週土曜日」「夏休み等の長期休暇には宿泊を伴う面会」など。
場所と方法: お子様の負担にならない場所(別居親の自宅、公園等の公共施設、ショッピングモールなど)。通常は、同居親が交流場所にお子様を連れて行き、相手へ受け渡しますが、直接の受け渡しが難しい場合は「駅の改札で待ち合わせる」などの工夫も可能です。
直接会えない場合: 手紙、電話、LINE、写真の送付といった代替手段を取ることもあります。
「相手が子どもに会わせてくれない!」拒否された場合の対処法
「自分が親権者だから」「元夫(元妻)のことが嫌いだから」といった、同居親の個人的な感情だけで親子交流(面会交流)を拒否することは原則としてできません。また、離婚時に親子交流(面会交流)の取決めをしていなかった場合でも、後から求めることが可能です。
当事者同士の話合いが難しい場合は、家庭裁判所に「親子交流(面会交流)調停」を申し立てます。
家庭裁判所調査官の介入: 相手が「子どもが会いたくないと言っている」と主張する場合、児童心理学などを専門とする調査官が、お子様の本当の気持ちや生活状況を確認します。
試行的面会: 裁判所内のプレイルーム等を利用し、試験的にお子様と面会する機会が設けられることもあります。
審判(裁判所の決定): 調停が不成立になった場合でも、最終的には裁判官が審判を下し、親子交流(面会交流)の可否や方法を法的に決定してくれます。
取り決めた約束が守られない場合(間接強制)
調停等で決まった面会ルールを相手が一方的に破った場合でも、無理やり子どもを連れ出すこと(直接強制)はできません。
しかし、調停条項を詳細に定めておくことで、相手が面会を拒否した際に「会わせないなら1回につき〇万円を支払え」と金銭的な負担を課す「間接強制」という手続きをとれる場合があります。
親子交流(面会交流)が制限・停止される例外的なケース
親子交流(面会交流)は原則実施されますが、以下のように「お子様に悪影響を及ぼす」と判断された場合は、親子交流(面会交流)の制限や停止が認められます。
子どもに対するDV(暴力)や虐待、暴言がある
子どもを連れ去る危険性が高い
面会時のルールを破り、勝手に子どもと接触しようとする など
親子交流(面会交流)や親権のトラブルを弁護士に依頼するメリット
親権や親子交流(面会交流)に関する話合いは、「子どもに会いたい」「相手に会わせたくない」という感情が激しくぶつかり合うため、当事者同士では解決が極めて困難です。
弁護士にご依頼いただくことで、以下のようなメリットがあります。
相手と直接連絡をとる精神的ストレスから解放される
間接強制などを見据えた、実効性のある法的に有利な条件(調停条項)を作成できる
調査官調査や試行的面会に向けて、的確なアドバイスを受けられる
「離婚成立前だけど子どもに会いたい」「離婚から数年経つが面会を再開したい」など、お子様との関わりでお悩みの方は、お一人で抱え込まずに盛岡中央法律事務所までご相談ください。



