任意整理(債務整理)の方針、任意整理のメリット・デメリット

rikon 001 03.jpg弁護士の行う任意整理(債務整理とも言います)は、相談者の代理人になって債権者を相手とする示談交渉によって、相談者が抱える借金の減額や無理のない支払い計画で返済を行うことによって、相談者の経済的再生を目指します。

 

過払い金請求と組み合わせて、返還された過払金を支払い原資として、任意整理を進めることも含みます。
交渉が進まない場合には、裁判手続に移行することもあります。

 

当事務所では、事務所創設当初から、悪質な消費者金融と闘いながら、任意整理や過払金請求に取り組んできました。

任意整理では整理したい借金を選んで整理することも不可能とは言いませんが、相談者が再び返済地獄に戻らないようにするためには、原則として借金全部の同時的な解決が重要です。そのため、特定の債権者だけ除外して、そこは違法金利のまま支払い続けさせることはしません。債権者の平等と信頼のためにも、いわゆる偏頗(へんぱ)弁済のような不公平な支払いをしないことは交渉においても必要なことです。

 

任意整理のメリット・デメリット

①任意整理のメリットは以下の通りです。

・弁護士の受任通知によって、債権者からの直接の取立てが止まります。
・引き直し計算によって、借金を減額することができます。
・引き直し計算の結果、過払いが生じている場合、過払金を取り戻せる場合があります。過払い金返還請求の項目をご覧下さい。
・利息制限法違反の借金のみの任意整理が可能です。
・自己破産や個人再生のように官報に掲載されることはありません。
・自己破産のような各種資格制限がありません。
・連帯保証人も同時に依頼を受けることにより、主たる債務者と同じ減額が受けられます。

②任意整理のデメリットと思われるのは以下の点です。

受任通知により、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録されます。ブラックリストに登録されると、5~7年間は自分名義で借金やローンをすることができなくなります。ただし、相談の段階で支払い遅延に陥っている場合には、すでに登録されていることが多いと思います。当事務所では、過払い金発生の場合には、この登録を変更するよう申入れをします。

任意整理はメリットが非常に大きい手続です。借金問題でお悩みになられている方は、ぜひご相談下さい。

任意整理の流れについてはこちら

 

任意整理の弁護士費用

相談料金

初回30分無料

※法テラス援助で同一案件3回まで無料

着手金・報酬金

着手金 報酬
破産申立事件 自然人の自己破産     20万円
法人の自己破産     100万円~
無し
任意整理事件 1社当り     2万5,000円
※過払金返還訴訟移行は実費費用のみ追加で行う。
時効援用通知を内容証明郵便で発送した場合の実費は無料とする。
過払金返還については、示談交渉による場合は返還額の15%、訴訟による場合は返還額の20%。
個人民事再生事件 30万円
(注)住宅資金特別条項の有無で区別せず。費用(実費)は原則として 3万円とする。
無し
民事再生 100万円~ 無し

 

任意整理に関するよくあるQ&A

Q全国展開事務所での任意整理に失敗したのですが、相談できますか?

はい、もちろんご相談いただけます。

全国展開されている事務所で任意整理の手続きを進められたものの、ご満足のいく結果に至らなかったとのこと、ご心労お察しいたします。任意整理が不成立となった場合、その原因は様々考えられます。例えば、特定の債権者との交渉が難航した、提案された返済計画がご自身の経済状況と合わなかった、あるいは事務所とのコミュニケーションがうまくいかなかったなど、様々な要因があり得ます。

当事務所では、まず、これまでの経緯や現在の状況を詳しくお伺いし、任意整理がなぜうまくいかなかったのかを分析いたします。その上で、今後の対応として、再度任意整理の交渉を試みるべきか、あるいは個人再生や自己破産など他の債務整理手続きを検討すべきかなど、ご依頼者様にとって最善の解決策を改めてご提案させていただきます。

なお、当事務所にご相談いただく場合、他の事務所との契約は辞任、解任等により終了していることが前提となりますので、ご留意ください。

 

 

Q任意整理後、支払いが難しくなった場合はどうすればよいですか?

任意整理後の返済が難しくなったとのこと、大変お困りのことと存じます。まずは、お一人で抱え込まず、速やかに専門家にご相談いただくことが重要です。

任意整理で和解契約を締結したにもかかわらず、その後の事情の変化(収入の減少、予期せぬ出費の発生など)により、定められた条件での返済が困難になるケースは残念ながらございます。このような場合、何もせずそのまま放置してしまうと、債権者から一括請求を受けたり、遅延損害金が加算されたりするだけでなく、最悪の場合、給与の差し押さえといった事態に発展する可能性もございます。

弁護士にご相談いただければ、まずは現在の状況(収入、支出、残債務額、何社への返済が困難になっているかなど)を詳細にお伺いいたします。その上で、取りうる対応としては、以下のようなものが考えられます。

・債権者との再和解交渉:事情を説明し、再度返済条件(月々の返済額の減額、返済期間の延長など)について交渉を試みます。これを「追加和解」や「再和解」と呼ぶことがあります。

・他の債務整理手続きへの切り替え:状況によっては、個人再生や自己破産といった、より根本的な解決を目指す他の法的手続きを検討する必要があるかもしれません。

 

いずれにしましても、早めにご相談いただくことで、選択できる解決策の幅が広がります。まずは一度、詳しい状況をお聞かせください。

 

 

Q任意整理は何回の分割払いですか?

任意整理における分割払いの回数については、法律で明確に定められているわけではありませんが、一般的には、3年~5年程度(36回~60回払い)で和解が成立するケースが多く見られます。

これは、多くの債権者がこの程度の期間であれば交渉に応じてくれやすいという実務上の傾向によるものです。ただし、これはあくまで目安であり、実際の分割回数は以下の要素によって変動します。

・債務総額:借金の総額が多ければ、月々の返済額を現実的な範囲に抑えるために、分割回数が多くなる傾向があります。

・ご本人の返済能力:毎月返済に充てられる金額がどの程度かによって、無理のない返済計画を立てる必要があります。無理なく続けられる返済額としては、手取月収の4分の1程度が目安です。

・債権者の意向:債権者によっては、より短い期間での返済を求めてくる場合や、逆に柔軟に対応してくれる場合もあります。

・交渉経過:弁護士がどのように交渉を進めるかによっても、結果は変わり得ます。

 

ご自身の状況に合わせて、どの程度の分割回数が適切か、また、それが実現可能かどうかについては、具体的な債務の状況や収入状況をお伺いした上で、弁護士が判断し、債権者と交渉していくことになります。

 

 

Q収入が少ないのですが任意整理はできますか?

はい、収入が少ない方であっても、任意整理ができる可能性は十分にございます。

任意整理を行う上で最も重要なのは、「減額された借金を、原則として3年~5年程度の期間で分割して返済し続けることができるか」という点です。つまり、収入の絶対額が多いか少ないかということよりも、毎月安定した収入があり、そこから生活費を差し引いた上で、返済に充てられるだけの剰余金(返済原資)を確保できるかどうかがポイントとなります。

例えば、収入が少なくても、ご実家にお住まいで家賃の負担がない方や、節約を心掛けて生活費を抑えられている方などであれば、返済原資を確保しやすく、任意整理が可能な場合があります。

弁護士にご相談いただければ、まず、現在の収入、毎月の支出(家賃、食費、光熱費、通信費など)、そして借金の総額や件数などを詳しくお伺いし、家計全体の状況を把握させていただきます。その上で、債権者との交渉によって将来利息をカットした場合に、月々いくらずつの返済であれば継続していけるか、無理のない返済計画を一緒に検討いたします。なお、無理なく続けられる返済額としては、手取月収の4分の1程度が目安です。

もし、任意整理による分割返済が難しいと判断される場合でも、個人再生や自己破産といった他の債務整理手続きが適切な場合もございます。ご自身の状況に最適な解決方法を見つけるためにも、まずは一度、収入状況を含めてご相談いただければと存じます。

 

 

Q任意整理をしたことは誰かに知られますか?

任意整理は、裁判所を介さずに行う私的な交渉手続きであるため、原則として、ご家族や職場の方などに知られる可能性は低いと言えます。任意整理を行うことによって、以下のような状況になることは通常ありません。

・官報への掲載:自己破産や個人再生とは異なり、任意整理は官報に氏名や住所が掲載されることはありません。

・裁判所からの通知:裁判所を利用する手続きではないため、裁判所からご自宅や職場に書類が送られてくることもありません。

・債権者からの直接の連絡・督促:弁護士が代理人として介入すると、債権者は正当な理由なく債務者本人に直接連絡を取ることが法律で禁止されます。そのため、これまでのような電話や郵便物による督促は基本的に止まります。

 

ただし、以下のようなケースでは、例外的に知られてしまう可能性もございます。

・ご自身から話してしまった場合。

・特定の債権者を整理の対象とした場合:例えば、勤務先からの借入れ(社内貸付など)を任意整理の対象とした場合、職場に知られることになります。また、ご家族が保証人になっている借金を整理する場合も、保証人であるご家族には連絡がいくことになります。

・弁護士や債権者からの連絡書類をご家族が見てしまった場合:弁護士との連絡や、和解契約締結後の債権者からの振込用紙などがご自宅に郵送されることがあります。これらの郵便物の管理にはご留意いただく必要がございます。当事務所では、ご希望に応じて、郵便物の送付先を弁護士事務所にしたり、連絡方法を工夫したりするなど、最大限プライバシーに配慮した対応を心がけております。

・クレジットカードの利用や新たな借入れが難しくなることによる間接的な察知:任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます(いわゆるブラックリストに載る状態)。これにより、一定期間、新たなクレジットカードの作成や利用、ローンの審査などが難しくなります。このような状況から、ご家族に不審に思われる可能性は否定できません。

 

当事務所にご依頼いただく際には、ご依頼者様のプライバシーに最大限配慮し、ご家族や職場に知られずに手続きを進められるよう、連絡方法や書類の送付方法などについて、きめ細かくご希望をお伺いし、可能な限り対応させていただきます。ご不安な点がございましたら、遠慮なくお申し付けください。

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