盛岡西ロータリークラブ会長コラム(23年7月~24年6月)

第34回例会 会長あいさつ「二人の巨匠、土門拳と棟方志功」(2024年3月28日)

今年から再び盛岡西ロータリークラブの会長となりました。 会長挨拶をホームぺージでもご紹介いたします。

皆さまこんにちは。今日は久々に、村田芳三会員からの卓話となります。昨今、国政においては、裏金問題や、当県選出の議員のスキャンダル等で政界が大荒れの気配を見せておりますが、村田会員は盛岡市議会議員ですので、当会会員であった故内舘栄治さんのご子息である内舘茂市長への期待も込めて、市勢の鋭いお話をお聞きしたいと期待しています。

さて、この一週間の私事としては、まず、県議会の会期が終了した3月22日に、県会議員、県政記者と県執行部幹部職員との懇談会がホテルニューカリーナでありました。私は県の選管委員長の立場で、達増拓也知事と工藤大輔議長、白澤県議、軽石県議らと同席のテーブルでした。知事と議長からの挨拶以降、中締めの挨拶までスピーチの類は一切なく、会期を終えたばかりの県議会議員を中心に、まるで立食パーティのように参加者同士よく語らっていました。私と議員の皆さんとの会話では、2月27日の県議会での一般質問に対する選管委員長としての初答弁が話題の中心でした。以前の会長挨拶でもお話しましたが、担当職員が書いてくれた模範答弁案を鵜呑みにするのではなく、自分の言葉に構成し直して答弁をしたことを思い出します。

3月26日に、岩手弁護士会主催で、転任する裁判官の送別会を映画館通の「利右衛門」で行いました。転任される裁判官3名の他に、昨年6月に赴任しながら歓迎会を行っていなかった浦野真美子所長にも参加して頂きました。今や弁護士会の宴会に参加する弁護士の大半は大震災以降に入会した若手の弁護士で、参加者では私が最長老ということが多くなりました。そのため、私にも挨拶の出番が回ってきます。私は昔話として、コロナや大震災前は、裁判官とは年6回以上、このような懇親会があったことを披露しました。裁判でも、最近のような電話会議ではなく、マスクもなく法廷などで裁判官や相手方弁護士と直接相まみえていました。そのため、事件が終了し、転任されてしばらく経っても記憶に残っています。

一昨年度、日弁連執行部で挨拶回りをした際、最高裁判所では事務総局長として小野寺真也裁判官に歓迎され、東京高裁では長官の隣に髙橋譲裁判官がナンバー2として同席していてお久しぶりですと挨拶を受け、その後も、執行部披露会や新年会でも顔を合わせました。このお二人は10年以上前に盛岡地裁に配属されたことがある裁判官でした。また、日弁連の再審法改正本部委員会では、約10年前に盛岡地家裁の所長として赴任したことがある村山浩昭元裁判官が退官して弁護士として出席していて、会議室でお互いに気が付き、懐かしいですねと挨拶を交わしました。お別れして10以上経った後でも、互いに顔と人物を覚えているのは、今日のような送別会や様々な機会に行う懇親会があったからなので、来年度はもっとそういう機会を増やしてほしいと挨拶をした次第です。

第29回例会での「東北の巨匠展に出向いてみよう」という会長挨拶の中で、山形県酒田市の土門拳記念館で青森出身の棟方志功画伯とのコラボ展示を3月31日までやっているので、ぜひ観に行きたいとお話しました。今回の記念館の目玉は、棟方志功が書いた原画と、棟方が板面に顔を擦り付けるようにして彫刻刀を振るっている土門拳による近接撮影の写真です。有言実行のため、3月24日に酒田に行ってきました。

酒田は盛岡からは新幹線こまちと特急いなほを乗り継いでいくので時間がかかります。長時間かかる往復の車中では、風景を眺めたほかは、原田マハさんという作家が書いた「坂上に咲く」という小説を読みました。この小説は、棟方志功の妻チヤが語る画伯の生涯で、画伯がいかに苦しみもがいて「世界のムナカタ」になったかを描いたものです。キーワードはゴッホのひまわりです。画伯は、ゴッホ先生と呼んでいたようです。涙腺が弱い私は、何度となく泣けました。皆さんにも大いにお勧めします。

土門拳記念館では、本人から寄贈された戦前から戦後にかけての「古寺巡礼」「室生寺」「筑豊のこどもたち」等、13万5000点を収蔵しており、時代別、撮影ジャンル別に本人や被写体の人物のコメントが掲示されていて、読みながら写真を鑑賞するだけで約2時間かかりました。

土門拳記念館に行って本当に良かったと思いました。記念館は、広大な公園の中にある見事な建物で、公園の池越しに見える雪山は、初めて見る鳥海山でした。酒田市から見える鳥海山はまさに山形の富士と言われるだけの秀峰でした。

帰りの特急いなほで見る鳥海山は、さらに二つの雄大な山に形を変え、車窓に迫ってきて見応えがありました。

青森市の棟方志功記念館は3月31日をもって閉館します。何度か行った思い出深い記念館でした。もう一度行きたかったのですが、3月の土日は混雑して静かに鑑賞できないだろうと思い諦めました。閉館後、作品は全て青森県立美術館に移るそうなので、また棟方作品に会いに行こうと思います。

以上で、会長挨拶を終わります。

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