盛岡西ロータリークラブ会長コラム(23年7月~24年6月)

第19回例会 会長あいさつ「選挙管理委員長の役職の一端をお話します。」(2023年11月16日)

今年から再び盛岡西ロータリークラブの会長となりました。 会長挨拶をホームぺージでもご紹介いたします。

こんにちは。皆さんご承知の通り、私は県の選挙管理委員長をしております。

少し前の話になりますが、10月18日に最高裁判所で、議員一人当たりの一票の格差の問題、いわゆる定数不均衡訴訟の判決がありました。この訴訟は、昨年(令和4年)7月に行われた参議院議員選挙で、最大格差が3.03倍になっているとして、全国の高等裁判所に管轄する選挙区の選挙無効の裁判が起こされました。選挙関係の訴訟の第一審は高等裁判所になり、岩手県の選挙については仙台高裁になります。ここで皆さん驚かれると思いますが、原告は住民ですが、被告は何と各県の選挙管理委員長なのです。ですから、岩手県の参議院選挙無効訴訟の被告は、私なのです。

仙台高裁は昨年11月に違憲判決を出しました。他の高裁では合憲や違憲状態と結論が分かれました。それぞれ敗訴した当事者が上告するのですが、岩手県では私が上告人となる一方、事情判決といって選挙は違憲だが無効とまではしないという判断については、住民がそれを不服とする上告人で、私が被上告人となります。ちょっとややこしいですね。

さて、最高裁は、結局昨年の参議院選挙は合憲であるという判断でした。その理由の中で注目したいのが、合区となった地域での投票率の低下です。自分たちの代表者を選ぶのに選挙区が県をまたがっていて、有力者が他県から出てくるのであれば興味が薄れて投票に行く気も失いますよね。国会議員は全国民の代表であると憲法に書かれていますが、実際は議員は地域と密接に繋がっているので、地域の代表者を選ぶ気持ちで投票が行われいるのが現状です。人口が減少するのは、何も私たちの責任ではありません。あまり人口という形式的な尺度で議員定数配分をすると、岩手県のような過疎県はどんどん定数を減らされるということになりかねません。今回の最高裁の合憲理由は、このような投票率の低下を招いていることから、定数問題是正には時間がかかるのは仕方がないという判断でした。きわめて常識的な見解が示されたと思います。

ただ、この裁判の原告側を中心的に担っているのは、私もよく知っている有名な弁護士達で、その一人は憲法の講演会や司法試験受験塾でも著名で、昨年度は毎月有楽町で一緒にマイクを握って憲法問題の情宣活動をしました。またある一人は、派手なスーツ姿がトレードマークで、第二東京弁護士会時代から良く知っている企業法務で著名な弁護士で、大会などでお会いすれば2ショットを撮ったりしています。

選挙管理委員会としてのご報告としては、今年も明るい選挙啓発ポスターコンクールで、岩手県から文部科学大臣・総務大臣賞が選ばれました。北上中学校3年の八重樫仁歩(にほ)さんです。ポスターコンクールは、まず、私たち選管委員と明るい選挙推進協会の委員の皆さん、県立大学の教授、県立美術館学芸員が集まり、小中高毎に最優秀作品や優秀作品を選びます。小中高の最優秀作品は、中央審査に応募します。なお今年から、全部の優秀賞の中から、一名、選挙管理委員長特別賞を私が選ぶことになりました。大臣賞の受賞は2年連続となるので、岩手県のレベルが高いことを嬉しく思います。

これで今日の会長挨拶を終わります。

 

 

 

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