岩手ジャズ日誌
My Dear Jazz Life(その1)
その1 ジャズファンからジャズライブの主催者(プロデューサー?)へ
時々、「先生、いつ仕事をしているんですか」、「いつ寝てるんですか」と聞かれることがあります。沢山のジャズライブに出かけ、ジャズライブを主催し、デジカメで撮影をし、ピアノでジャムセッションに参加し、ロータリークラブの会長をやり、ゴルフやカラオケもそこそこ(?)やっているからでしょう。でも、盛岡(岩手)は、職住近接、終電も関係なく、やろうと思えば、仕事も趣味もたっぷりできるところなのです。 例えば、ジャズライブのプロデュース。今年は6月7日と8日、奥州市水沢地域交流館「アスピア」と盛岡市大通のジャズバー「すぺいん倶楽部」の2カ所で、ジャズピアニスト辛島文雄さん(トリオ+アルトサックス池田篤)のライブをプロデュースし、両日とも超満員となる70人のお客様に来て頂きました。辛島文雄ライブは今年で15年連続、2日連続のライブもあるので、今回の2公演を入れると延べ26回のライブを行いました。学生の頃から聴いていた辛島さんは、時代に流されない確固としたジャズスタイルでノリがよく、お客さんの評価も凄く高いのです。昨年からは奥州市でもライブをして頂きましたが、私の生まれ故郷でプロのジャズライブをやりたいと思ったからでした。 もう一人、時に拳でピアノを叩く激しいスタイルながら、リリカルで涙が出るほど綺麗な音を奏でるピアニストの板橋文夫さんのライブも手掛けています。今年3月で10年目、ソロ、デュオ、トリオ、カルテット等いろんな組み合わせで、延べ15回目のプロデュースになりました。 その中には、ドラマーの第一人者の森山威男さんとの2ディズライブ、ロック歌手のカルメン・マキをゲストに北上さくらホールを借りたこともありました。 この二人の巨匠の他、一昨年と昨年の2回、人気ジャズボーカリストTOKU(トク)に東京アルフィーのライブで声を掛けて、すぺいん倶楽部でライブが実現しました。
辛島さんらと一緒に来たジャズマンもかなりの数になりました。ピアノの宮川純、トランペットの原朋直・岡崎好朗、サックスの林栄一・池田篤・岡崎正典・川島哲郎・纐纈雅代、ベースの井上陽介・川村竜・安田幸司・楠井五月、ドラムスの奥平真吾・高橋新之助・小松伸之・福森康・横山和明ら、今ではジャズ界の中軸となっているメンバー達です。 私が、ライブのプロデュースをやるようになったのは、東京の老舗ライブハウスの「新宿ピットイン」から、辛島さんの東北ツアーのお世話係を頼まれたのがきっかけでした。東京から岩手県に戻った翌々年の2001年のことです。 今までは一人の客でしかありませんでしたので、初めてライブホール探しからポスター、チケット作成、集客のための宣伝活動までほぼ一人でこなしました(写真は、2001年に初めてプロデュース体験をした辛島文雄トリオ)。
それから15年間で、延べ50回近くのジャズライブを手掛けたことになります。今ではライブは「すぺいん倶楽部」のオーナーでテナーサックス奏者の西部邦彦さんの協力を仰ぎ、ほとんど同店でのライブをお願いしています。
毎回集客を心配し、ようなく迎えるハラハラのジャズライブを手掛けるようになってから、うれしい余録が待っていました。それまでステージの演奏者と一般客の関係に過ぎなかった関係から、ジャズマンとの距離が一気に縮まりました。東京のライブに出かけた時でも、ミュージシャンの方から挨拶に来てくれますし、休憩中の楽屋も顔パスで訪問できるようになります。こういうことはお金に換算できません。
これから、何回かに分けて、My Dear Jazz Life(私のジャズライフ)をお届けします。(2015.8.19)